美容と健康に効果が絶大と言われている「ビタミンC」という成分。
この「ビタミンC」、果物に豊富だとか、美白に効くとか、漠然としたいろいろなイメージがあります。
高い抗酸化作用による健康やアンチエイジングへの効果、肌のトラブルを改善する美肌効果など、とても安全で高い効果が得られる成分、ビタミンC。
栄養士の資格を持つ私が、なぜビタミンCが美容と健康に効果的なのか、その理由をまとめてみました。
この記事の目次
1.老化を遅らせる、アンチエイジング効果
人間、歳とともに老化は当然すすんでしまいます。
しかし、そのスピードには個人差があります。
老化を早める主な原因は、紫外線やストレスにより体内で増えすぎてしまった活性酸素が、体内の正常な細胞を攻撃し、細胞の老化を進めてしまうことです。
ビタミンCは、この活性酸素を抑制する強い抗酸化作用があるのです。
細胞が活性酸素からの攻撃から守られるため、老化のスピードを遅らせることができるのです。
2.ガンの発生・増殖を抑える
ビタミンCがガンの発生・増殖を抑えるのは2つの理由があります。
まず一つ目の理由は、体内で発ガン性物質が作られるのをビタミンCが防ぐ、ということです。
代表的な発ガン性物質である、「ニトロソアミン」。
このニトロソアミンの原因物質となる「アミン」と「亜硝酸」は、実に様々な食品に含まれているので、摂取しないようにするのはまず不可能です。
しかし、ビタミンCが、このニトロソアミンが体内で合成されるのを阻止してくれる、というデータが実証されています。
二つ目の理由は、ビタミンCが「インターフェロン」という物質の生成を促進するということです。
このインターフェロンは体内で作られる物質ですが、ガン細胞を攻撃する抗ガン作用を持ち、ガンの特効薬ともいわれています。
近年では、積極的なガン治療法として「高濃度ビタミンC点滴」を取り入れている病院も増えています。
3.免疫力を向上し病気を防ぐ
私たち人間には、体内に侵入してしまったウイルスや細菌などの病原菌から身を守る、「免疫機能」があります。
ビタミンCは、まず粘膜を正常に保ち、ウイルスや細菌が体内に入ってきにくくするためのサポートをしてくれます。
そして、抗ウイルス作用のある免疫物質「インターフェロン」の生成を促してくれます。
4.コラーゲンの生成を促進する
人間の体はたんぱく質で構成されていますが、その30%以上を占めているのがコラーゲンです。
コラーゲンは、皮膚・血管・骨・目など、体の重要な器官を構成する、必要不可欠な成分なのです。
このコラーゲンを体内で生成する際に必要になるのがビタミンCです。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進する働きとともに、紫外線や加齢によるコラーゲンの分解を抑制する働きがあります。
5.メラニンの生成を抑制し還元。シミを抑制し無色化する
シミの原因となるのは、皮膚で過剰に作られたメラニン色素が蓄積・沈着してしまうことです。
メラニンはそもそも、紫外線などの外的刺激から肌細胞を守る大切な役割がありますが、過剰に作られてしまうと排出しきれなかったメラニンがシミの原因となってしまいます。
ビタミンCは、メラニンが過剰に作られるのを抑制するとともに、すでに作られてしまったメラニンを還元し無色化する効果があります。
6.ニキビ・毛穴の開きを改善する
毛穴の開きの原因のひとつは、過剰な皮脂分泌です。
過剰に分泌され毛穴に詰まった皮脂が空気に触れることで酸化し、黒ずみとなったり、アクネ菌が増殖してニキビとなります。
ビタミンCは、この過剰な皮脂分泌を抑制し、さらに酸化を防止する効果があります。
また、ビタミンCは抗炎症作用が高く、肌環境を整える働きが高いため、できてしまったニキビを改善する効果があります。
コラーゲン生成を促進する作用により、ニキビ跡や毛穴のでこぼこの改善にも効果的です。
7.動脈硬化を予防する
動脈硬化の原因のひとつとして、悪玉コレステロール(LDL)の酸化があげられます。
ビタミンCおよびビタミンEには、悪玉コレステロールの酸化を予防する働きあるのです。
またビタミンCには胆汁酸の合成を促す作用があるため、コレステロールが効率よく分解してくれます。
8.ストレスから体を守る
人間が生活していくうえで避けることのできない「ストレス」。
このストレスに対抗するために人間に備わっている臓器が「副腎」です。
副腎から分泌される副腎皮質ホルモンには、人間の体と心のバランスを保つ大切な働きがあります。
この副腎皮質ホルモンが生成されるときに多くのビタミンCが必要なのです。
また、神経伝達物質であるドーパミン、アドレナリンの合成にビタミンCが使われます。
9.安全性が高い
ビタミンCが知られるようになった歴史は古く、16~18世紀ごろの大航海時代、船員がビタミンCの欠乏症である「壊血病」という病気でなくなったことから発見されました。
この1747年の発見から始まり、研究が進んでビタミンCの化学構造が解析された1933年には合成が可能となり、ビタミンCは化学名をアスコルビン酸と名付けられました。
その後、ノーベル賞科学者であるアメリカのボーリング博士による論文などにより、ビタミンCの働きは世界中に広まり、現在でも研究・利用され続けています。
これほど長い歴史のなかで人々の健康を守り続けている、非常に安全性の高いビタミンC。
もし過剰摂取しても、不要な分は尿とともに体外に排出されてしまうため、過剰症の心配もほとんどありません。
10.安定性・浸透性を高めるために登場。ビタミンC誘導体
以上のように、ビタミンCはとても優秀でかつ安全性の高い成分ですが、とても壊れやすく、肌の深層部まで届けるのは難しい成分でもあります。
この弱点を克服し、肌への安定性や浸透性を高めたのがビタミンC誘導体です。
ビタミンC誘導体には水溶性、油溶性、高浸透(APPS)の3種類があります。
まとめ
ビタミンCは美容と健康にとても効果の高く非常に魅力的な成分なため、今もなお研究が進められています。
常に新しい情報を知り、ビタミンCのすばらしい効果を取り入れていきましょう(^^)